『官能小説、官能、子母澤類、101円~400円(文芸・小説)』の電子書籍一覧
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この清らかで美しい肉体を、あのサラリーマンに金で売ったのだろうか──妻方の姪、女子高生のなつきを小野木が引き取ったのは大震災のあとだった。平日の昼間、三十前後のサラリーマン風の男についていくなつきを見たのは、四十五歳の小野木が若い女子社員たちと市民センターのエントランスが見えるビストロで昼食をとっていたときだった──その日のことを、妻の留守中、ふたりきりになった際に切り出すと、否定しないなつきに小野木はついに衝動に駆られ、そして……
【著者略歴】
子母澤類(しもざわるい) ─ 建設設計会社勤務の傍ら、小説を執筆、1996年雑誌「小説クラブ」でデビュー。単行本、雑誌、スポーツ新聞にて作品を発表。加賀・金沢を舞台にしっとりとした作品に魅了される読者多数。 -
真一は、今は亡き父の愛人だった桐野小夜子の家に向かっていた。これで二度目だ。一度目は父の死の知らせを受けたとき。今回は妾宅に関して遺言状に記された話をつけるためだった。大学の助教授をしていた、まじめだけが取り柄だった父はなぜ、小夜子にのめりこんだのか…この女の故郷にいついた理由は──いつの間にか、真一の前に酒が用意されていた。「お月見には、お酒がなくてはいけません」。妾宅から川を挟んで見える月はきれいだった。しみじみとうまかった。徐々に割れる足、息づく女の部分が、月明かりに照らされる。ほとばしりそうなほどの強い欲情が真一に取り憑く──父を奪った女に恋情を抱き始めた真一のとった道は……。
【著者略歴】
子母澤類(しもざわるい) ─ 建設設計会社勤務の傍ら、小説を執筆、1996年雑誌「小説クラブ」でデビュー。単行本、雑誌、スポーツ新聞にて作品を発表。加賀・金沢を舞台にしっとりとした作品に魅了される読者多数。
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