天の岩戸伝説 思兼 あらすじ・内容

誰も知らない天の岩戸伝説が、今始まる。オリジナル長編小説

速水武は大学生になると直ぐに一人暮らしを始めていた。　そこは前々から狙っていた某女子短期大学の寮が向かいにある古いアパート。本当のことを言うと大学などどこでもよくこのアパートに住むことが、多くの女の側に住むことが目的であった。その甲斐もあってか武の性生活は充実したものになっている。しかし、それは現実の世界ではなく夢の中での出来事……だがそれは妄想ではなく、武にとっては現実の出来事だった。そう武は人の夢の中に入る能力を持っているのだった。　その能力を使い武は毎日のように色々な女を抱いていく。　能力を得るきっかけになったのは高校の修学旅行で京都、奈良を周り伊勢神宮を参拝、そして滅多に修学旅行のコースには乗ることのない天の岩戸・恵利原の水穴を見学していた時のことである。武は水穴の横にある赤い鳥居を見つけるが、誰もその鳥居に気がついている様子がなかった。そんな不思議な鳥居に武は引き寄せられるように一人奥へと続く鳥居の中へと入っていく。そこはまるで異世界へ続くのではないかと思える参道で、その先には大きな岩で組み上げられたまさに伝説に語られる天の岩戸と思わしき岩が祀られていた。そこで武はウズメと言う一人の少女に出会う。そしてその日から武の夢が変貌し、他人の夢を自由に操れるようになるのだった。　夢を操れるようになった武の運命は……　能力を授けたウズメの狙いは……　ここに伝記では語られなかった新たなる天の岩戸伝説が始まる。