『文芸・小説、特選小説、蛭田亜紗子、0~10冊』の電子書籍一覧
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葵は平凡な24歳。地元の短大を出てから、親戚がやっている小さな会社で事務をしている。結婚してはや1年。夫から子供を作ろうとせがまれているが、自分の未来に言いようのない不安を感じ、東京に住む高校時代の友人・莉央に会いに来た。莉央は都会に染まり、すっかり垢抜けていた。昔は長い髪を無造作に束ねていたけれど、今はショートボブにしている。かつては大きめの胸を恥じらって隠していたのに、今はボディラインを強調するようなニットワンピースを着ている。ニットを押し上げる胸やお尻の曲線には同性の葵でも思わず凝視してしまうようななまめかしさがあった。スタイリッシュな生活を送り、ドラマのようなシェアハウスに住んでいる。そのシェアハウスを訪問。そこで莉央の3Pを目撃した葵は……。
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須藤真希は37歳の人妻。コロナ禍で仕事はリモートワーク中心になり、ぽっかりと時間が空いた。9歳年上の夫としか会話しないのは息苦しく、朝のコンビニでバイトすることにした。シフトがよく重なるのは大学生の三好健太だった。コロナ禍のため、大学で友達が作れず、寂しそうな彼を不憫に思い、昔の恋愛や学生時代の思い出などを話すようになった。ある日、お腹をすかした健太にホットスナックをおごってあげた真希。彼によると、祖母のメンチカツが絶品だという。だが世の状況ゆえになかなか会いに行けない。真希は代わりに彼にメンチカツを作ってあげることになった。夫のいない家に健太を招待し、手料理を振る舞う。真希は自分が異性の範疇にないと思っていたが、童貞の健太は女性として意識していた。突然、迫ってくる健太。激しいキス、ぎこちない愛撫。真希は欲情がこみ上げてきて……。
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30代半ばの侑里は、学生時代から両側の口角にあるホクロがコンプレックスで、いつか除去手術を受けようと思いながら、この歳になっていた。最近はマスクを付けるのが当たり前の世の中になり、ホクロも隠れている。10代の頃から目もとを褒められることはときどきあった。目尻がやや吊り上がったくっきりとした二重、長さのある睫毛、色素の薄い虹彩、澄んで輝く青みがかった白目。複数のアイシャドウを塗ってグラデーションをつくらなくても、アイラインを細く引くだけで充分引き立つ。まさにマスク美人だと自嘲していた。元夫はホクロが色っぽいと言ってくれて、時に愛撫してくれる人だったが、いつもフェラばかりであそこを触ってもくれなかった。結局、離婚してしまった。友人には幸せな夫婦生活を見せつけられて落ち込んでいたが、彼女の夫はマスクしている侑里に気づかず、ホテルに誘ってきて……。
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